Interview
- 在学生インタビュー -
志村 正俊さん
サカタインクス株式会社

まずは、簡単なプロフィールを教えて下さい。
2024年8月に入社し、新規事業開発を担当しています。 今の会社に入社したのは最近で、それまでの間は、石油化学会社での生産技術開発担当や、創薬系スタートアップ企業の経営をしておりました。
なぜMOTを学ぼうと思われたのですか?また、その中でも農工大を選ばれた理由があれば教えてください。
MOTの必要性を痛感したのは創薬系のスタートアップ企業で新規事業をとり進めてしていたときでした。当時、私は別の大学でMBAを学んでおり、修了間近でした。
しかし、MBAで学んだことは非常にためになっていたものの、それだけで当時の私が新規事業を成功させることが難しいこととも感じていました。そんなことを相談した相手の何人かからMOTのことを教えてもらい、当時の私に必要だと感じたため、MBAの終了と農工大のMOTに入学しました。
農工大を選んだ理由は、技術系の研究との距離が近かったことです。農工大では多くの研究室で素晴らしい研究が進められており、MOTの勉強をしながら、そのテーマにもなりうる先端技術に触れることができると感じました。
東京農工大学のMOTに入学され、当初の目標は達成できましたか?
新規事業開発成功のための体系的な学びを得るという目的は達成されたと感じています。もちろん実際に新規事業開発を成功させることに対しては道半ばですが、少なくともそのために必要な材料は手に入れることができたと思っています。
在学中のお仕事と学業の両立はどのように実現されたのでしょうか?
仕事と家族の両立の実現においては、仕事仲間の理解や協力が大きいと思っています。私の場合、仕事仲間が「仕事に直結するから」と、全面的に協力してくれました。
具体的にはスケジュール調整であったり、ケーススタディの壁打ち相手であったりです。他には励ましも大きいですね。仕事仲間が励ましてくれることで私の心の重荷が軽くなりました。
一方私の方も、MOTで学んだことや、MOT仲間へのインタビューで、少しでも早く仕事に還元することに努めました。授業中に質問する形で自分の仕事内容をケースとして挙げたこともありましたし、MOT仲間に業界のことを質問したこともありました。特に私の同期にはいろんな業界でいろんな仕事をしている人が多く、大変有効でした。

東京農工大MOTのカリキュラムはいかがでしたか?
大変参考になりました。体系だった学びを得ることができたことはもちろん、実務家の先生にいただいた体験談を踏まえたお話は、仕事を進めるうえで貴重な情報となりました。
在学中、特に印象に残っている講義やイベントがあれば教えてください。
ゼミでの討論が最も印象に残っています。ゼミ生はそれぞれに研究を行っていますので、その発表や報告を聞き、意見をぶつけ合うことは、大変貴重な学びに繋がります。
ゼミには、技術リッチな研究をしているゼミ生もいれば、管理的な研究をしているゼミ生もおり、それぞれ違う立場や視点を持っているので、それに触れることで私の世界が広くなっていくように感じました。
またゼミ生同士の仲が良く、対面やオンラインで親交が深めることが多いです。2月にはゼミ合宿が行われ、そこでは多くのテーマに沿った議論や、夜通しの懇親会が開かれました。とても貴重な、そしてとても楽しい体験でした。
学生生活を通じて、ご自身に変化はありましたか?
MOT的な視点と、ともにそれらを学ぶ仲間を得られたことが最も大きな変化です。こういったものを共有できる機会は貴重だと思います。 仕事で行き詰まったとき、「あのフレームワークに落とし込んでみよう」、「ゼミ生のあの人に相談してみよう」と思える様になったことは大きな変化です。
また仕事上で、アカデミックな理論に基づいて説明すると、周囲の理解が得られやすくなったという変化もありました。
今後入学を検討している皆さんへひとことお願いします。
私がそうであったのですが、MOTを目指すにあたっては、家庭との両立、仕事との両立、MOTを学んで仕事に活かせるのか、等の悩みもあると思います。しかし、農工大のMOTはその悩みに応えてくれると思います。
実際に、私やともに学ぶ仲間は、先生、家庭、仕事仲間、MOTの仲間と協力し合いながら、力を合わせてそれらの悩みを乗り越えることができているように感じます。
また、それらを乗り越えて得られるものは、苦労の何倍ものものだと思います。私もまだカリキュラムを残してはおりますが、すでに苦労の何倍ものものを手にした実感があります。